
何やら心理学って仕事に役立つみたい。簡単なもので良いから少し学んでみたいな。
こんな疑問に答えます。

人と人とのコミュニケーションがあって初めて成り立つ「仕事」
それなのに、人間関係に関する心理学を全く知らないのはもったいないです。
大半の人に共通する心理・行動を理解し、事前に想定して動けば、仕事を有利に進められること間違いなし。
そこで今回は、「仕事に役立つ心理学」をまとめて紹介します。

心理学を紹介したサイトや記事は数あれど、ここまで仕事に活かすことに落とし込んだ記事はないかと!
ぜひご覧ください。
この記事は、「図解 心理学用語大全 人物と用語でたどる心の学問」を参考にして、「仕事に役立てる方法・考え方」をまとめたものになります。
仕事で役立つ心理学11選

今回紹介する心理学は以下の11コです。
仕事で役立つ心理学11選
- 自己標的バイアス
- ハロー効果
- 心理的リアクタンス
- ブーメラン効果
- メラビアンの法則
- 返報性の原理
- ドア・イン・ザ・フェイス法
- 初頭効果・新近効果
- 傍観者効果
- 社会的インパクト理論
- サンクコスト効果
早速、それぞれ紹介していきます!
自己標的バイアス
〜ある会議の後〜

さっきの会議、全然発言できなかった・・・みんな俺のこと「全く喋らなかったやつ」って思っているんだろうなあ・・・
少し失敗したからといって、周りのことが気になり、その場に居づらくなった経験はありませんか?
安心してください。誰もあなたのことなんて気にしていません。(良い意味で)
自己標的バイアスとは、上記のように「自分が周りから見られている、注目を浴びていると感じてしまう心理」のこと。
要は、人は必要以上に自意識過剰になりがち、ということですね。
でも実際のところ周りの人はほとんど気にしてないという。
仕事でミスした時の切り替えが下手な人は、この心理を知っておくと幾分か気持ちが楽になるはずです。

「自己標的バイアス」は、次のように仕事に活かせそうです。
自己標的バイアス × 仕事
少し失敗したからってくよくよしない。誰もあなたのことは悪く思っていないし、むしろ気にしていないことを知っておこう。
ハロー効果
〜ある会議にて〜
これは、〇〇が××という理由で、△△になる考えられます(キリッ)


(あの先輩、すごくハキハキ話すな。きっと仕事ができるんだろうなあ。)
ハロー効果は、一つの優れた特徴がその人の全体的な評価に影響を与える効果のことです。

「ハロー効果」は、次のように仕事に活かせそうです。
ハロー効果 × 仕事
- 人に初めて会うときは、自分の見た目や服装を整えよう。見た目がキチッとしているだけで、「優秀かも?」と思われやすくなる。
- なんでも良いから自分の得意なことはないか?それをアピールして、周りの人に認識してもらおう。それだけで、自分の全体的な評価UPにつながる。
心理的リアクタンス
皆さん、一緒に展示会に行きませんかー。チケット残り2枚です。


(残り2枚?行かないともったいないかな・・・)
心理的リアクタンスは、自分の自由が侵害された時に、自由を取り戻そうとする心理のこと。
字面だけ見ると当たり前のことなんですが、実は人は心理的リアクタンスを無意識にやってしまいます。
上の例では、「展示会に行く」という選択権が残り2枚で無くなるという自由の侵害によって、「展示会に行かないと」と思い始めてしまっています。
人にお願いして動いてもらうときに心理的リアクタンスが利用できそうです。

「心理的リアクタンス」は、次のように仕事に活かせそうです。
心理的リアクタンス × 仕事
部下や後輩に説得するときは「こんな成長のチャンスはないよ」などと、断りにくい心理を作る言葉を添えて説得してみる。(ずるいけど)
ブーメラン効果
頼んでた仕事はもう出来た?


い、いやまだです(順番に捌いてるんだからそんな急かさないでよ・・・)
誰でも人に催促されるといい気分はしませんよね。
こんな風に、説得者の発言が被説得者の心理的リアクタンスを生み、逆効果を生んでしまうことをブーメラン効果といいます。
あなたが上司や先輩の立場の場合、ブーメラン効果を知っているかどうかで部下や後輩のタスク管理のしやすさがだいぶ変わってきます。

「ブーメラン効果」は、次のように仕事に活かせそうです。
ブーメラン効果 × 仕事
やたらめったらの催促はしないこと。気になるのはわかるが、相手の心理的リアクタンスを生むだけ。相手に仕事を依頼するときは、しっかりと期限を定めて、期限の1日前にリマインドをする程度に留める。
メラビアンの法則
(自己紹介〜〜)。これからどうぞよろしくお願いします。


あの人の自己紹介、素晴らしかった・・・え、内容?どんなだったっけ?
メラビアンの法則は、言語・聴覚・視覚が相手の「好意」または「反感」に与える影響の割合を示したもの。
その割合は次のとおり。
- 視覚55%
- 聴覚38%
- 言語7%
驚き。視覚と聴覚だけで9割以上を占めているのです。
つまり相手の印象には、ほとんどその人の見た目・声のトーン・大きさしか残らないということですね。
あなたの周りに次のような人はいませんか?
普段から愛想が良い。別に面白いことや上手いことを言うわけではない。でも何故かみんなに人気がある。
こういうが人気なのはメラビアンの法則から考えると必然なんですね。

「メラビアンの法則」は、次のように仕事に活かせそうです。
メラビアンの法則 × 仕事
プレゼン・自己紹介では、まず表情柔らかく、堂々と、大きな声で!内容はその後で。
返報性の原理
人に良くしてもらったときに、「何かお返ししなきゃ」と思う心理が働くことを「返報性の原理」と言います。

「返報性の原理」は、次のように仕事に活かせそうです。
返報性の原理 × 仕事
普段からギブする精神で人に接しよう。「直接自分にメリットがない」依頼でも、快く対応しよう。いざ自分が助けがほしい状況になったときに、周りが快く協力してくれるはずだ。
ドア・イン・ザ・フェイス法

この仕事、1週間後にお願いできますか?(本当は2週間後でも良いけど・・・)
1週間ではかなり厳しいですね・・・もう少し延ばせませんか?


わかりました。2週間後ではどうですか?
わかりました(本当は2週間後でも厳しいけど、せっかく延ばしてくれたんだから頑張ろう!)

ドア・イン・ザ・フェイス法は、厳しい要求をした後に、緩い要求を提示することで相手を説得させる技術のこと。
説得される側は、要求を緩和してくれたのだから、それに応えないと!と「返報性の原理」が働くことで説得されやすくなるというものです。
上のやりとりのように、納期や予算の交渉の際に「ドア・イン・ザ・フェイス法」は威力を発揮しますね。

「ドア・イン・ザ・フェイス法」は、次のように仕事に活かせそうです。
ドアインザフェイス法 × 仕事
納期や予算など、ある「ライン」を決める交渉の際には、本来の要求より厳しめなラインから切り出してみる。
初頭効果・新近効果
初頭効果・新近効果は、内容への関心度合いによって、全体の印象を決める情報が変わる効果のことです。
例えば、あなたがプレゼンでA→B→C→Dの4つの情報を順番に伝えたとします。
- あなたのプレゼンに関心がない人にとって、プレゼン全体の印象を決める情報は「A」になります。これが初頭効果。
- あなたのプレゼンに関心がある人にとって、プレゼン全体の印象を決める情報は「D」になります。これが新近効果。
まとめると、以下のようになります。
内容への関心度合い | 全体の印象を決める情報 | |
---|---|---|
初頭効果 | 弱いとき | 最初の情報 |
新近効果 | 強いとき | 最後の情報 |
あなたが何かを伝えるとき、相手がその内容に関心を持っているか否かで、重要な情報を伝える順番を変えると伝わりやすさがぐっと向上する、ということですね。

「初頭効果・新近効果」は、次のように仕事に活かせそうです。
初頭効果 ×仕事
次のようなとき、一番重要な情報は最初に伝えよう。
- 自己紹介
- 仕事内容の説明
新近効果 ×仕事
次のようなとき、一番重要な情報は最後に伝えよう。
- 情報・意見を求められた時
傍観者効果

誰か、荷物運ぶのを手伝ってくれないかー。
(誰かがやってくれるだろう・・・)

(誰か手を上げてくれるはずだ・・・)

みんなが「誰かがやってくれる」と思い、行動が抑制されることを傍観者効果といいます。
誰でも経験あるのではないでしょうか。

「傍観者効果」は、次のように仕事に活かせそうです。
傍観者効果 ×仕事
- 上司から対象不特定の依頼が来た場合は、自分が先に手を上げてみよう。もしかしたら思わぬチャンスになるかもしれないし、少なくとも「行動力がある」と上司から評価されるはず。
- 自分が依頼者の場合は、必ず相手を指定して依頼をしよう。「誰かお願い」という言い方をしても、傍観者効果で誰も手を上げないことも。
社会的インパクト理論
〇〇の件、調べておいてくれるかな。


はい、わかりました(あの人に聞けば多分解決するんだけど、話しかけづらいんだよな・・・詳しいかわからないけど、とりあえず同期に聞いてみるか)
助けを求めたい相手が
- 偉い人
- 怖い人
- 話しかけるなオーラが出ている人
だったりすると
ストレスを避けるために、不適切とわかりながらもついつい話しやすい同僚などに相談してしまう心理・行動が社会的インパクト理論。

「社会インパクト理論」は、次のように仕事に活かせそうです。
社会インパクト理論 ×仕事
- 相談しにくい相手の場合、自分が「社会インパクト理論」に陥っていると認知しよう。それだけで相談の心理的ハードルが下がるはず。
- あなたが上司・先輩の立場なら、常に気さくでいよう。自分が「社会インパクト理論」を引き起こす原因になると、相談してくれない部下・後輩が増えて、結果的に組織の力が落ちていく。
サンクコスト効果

せっかく今まで時間もコストも使ってきたんだ。ここでこのプロジェクトを諦めるわけにはいかない!
(いや、どう見ても勝ち目ないですって・・・)

サンクコスト効果は、芽が出ないとわかっていてもそれまでの労力を惜しみ、継続してしまう心理のことです。
「諦めが肝心」とはよくいうけど、人間諦めることによる「もったいない」の方が優ってしまうんですよね。
サンクコスト効果に打ち勝つ方法として「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」で謳われていた方法は
今までの時間・コストなどの労力が0になったとしても、今の行動を継続するか?
です。大体の人は「やめる」を選択するはず。

「サンクコスト効果」は、次のように仕事に活かせそうです。
サンクコスト効果 × 仕事
時間をムダにしないためにも、今取り掛かっている仕事やプロジェクトは、このまま続けて本当に結果が出るのか?と定期的に自問自答する癖をつける。
まとめ

今回は仕事に使える心理学を紹介しました。
仕事と心理学は、非常に親和性が高いです。
今回紹介した心理学は基礎中の基礎ですが、普通のサラリーマンで心理学を知ってる人は少ないはず。
しっかり覚えて周りと差をつけましょう!