仕事における「リーダー」とは何か。「先頭に立ちメンバーを引っ張って成功に導く存在」?実はそのリーダー像はもう古いんです。今回はこれからのリーダー像、リーダーシップを説く書籍「0秒リーダーシップ」の書評です。
この記事はこんな人にオススメです
- 今の会社のリーダーのあり方に疑問を持っている
- 最近リーダーと呼ばれる立場になったので、これから求められるリーダー像を知りたい
- 今は平社員だけど、リーダーシップを発揮して仕事したい
0秒リーダーシップとは
「0秒リーダーシップ」は、あのモルガン・スタンレーやGoogleなどに在籍し、人材育成、組織開発などで活躍、現在は独立して2社を経営しているスーパーマン、ピョートル・フェリークス・グジバチ氏によるビジネス書です。
本書では、変化の激しいこれからの世界で生き抜いていくためのリーダーシップについて語られています。
- 読者に語りかけるような書き口
- 難しい言葉は一切なし
こんな感じなので、ビジネス書初心者でもスルスルっと読めてしまいます。
本書の構成は、
- 序盤…これからのリーダーシップとは
- 中盤以降…リーダーが持つべき資質
といった感じ。
正直、個人的には序盤で語られるこれからのリーダーシップについて(プロローグと第1章)読むだけでも目から鱗、十分価値がありました。
今リーダーと呼ばれる立場で働く人はもちろんのこと、リーダーではない、若い世代にこそ読んで価値のある本だと思います。
今の日本に求められるのは「リーダーシップ」?
日本企業の衝撃的事実
突然ですが、世界時価総額ランキングを見たことはありますか?
文字通り、株式会社が持つ時価総額の世界ランキングになりますが、
平成元年と平成30年の世界時価総額ランキングの比較には衝撃を受けます。
日本企業がTOP50の半数以上を占めていた平成元年に対し、
平成30年はTOP50に入る日本企業はトヨタ自動車1社(35位)という事態。
この原因は何なのでしょうか。
ちなみに2021年4月末時点でのTOP50に入っている日本企業は変わらずトヨタ自動車1社でした。48位とランクダウンしているのが気になる・・・※
※https://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htmを参照しました。
日本企業の「変化を嫌う体質」
上のような結果になってしまったのは、各国の企業が力をつけてきたのもある一方、
日本企業の「変化を嫌う体質」が少なからず起因していると私は思います。
そして、その「変化を嫌う体質」の一つに古きリーダー像があるのではないでしょうか。
日本の会社のリーダーと言うと、
- 1人のリーダーが部下に指示を出す
- 部下は指示に従って動くだけ
- リーダーの指示は絶対
- そのリーダーも、おおよそ年功序列で決まっていく
こんな会社がまだまだ多いと思います。
現に本書でも、今の日本企業に足りないのはリーダーシップだと記されています。
これからのリーダーシップ
本書では、少数のリーダーが大勢の部下に指示を出す、部下はその指示を待つ、いわゆるピラミッド型の指示系統だけでは変化の多いこれからの時代に対応できないと説いています。
変化についていくには、意思決定のスピードが遅すぎるということですね。
そこで本書が推しているのが、メンバー全員がリーダーシップを取るということです。
そんなこといっても、意思決定とか部下に指示を出したりするのは上司の役目でしょ?
そう思うのは当然。
でも、本書ではリーダーシップを
リスクを恐れず新たな一歩を踏み出すこと
と定義しています。
ただこれだと抽象的すぎますよね。
大丈夫。本書でちゃんと具体例を挙げてくれています。
たとえば、次のようなことです。
・新しい仕事のやり方を提案すること
・「私がやります」と手を挙げること
・みんなとは違う意見を口にすること
・あえて空気を壊す発言をすること
0秒リーダーシップより抜粋
具体例は他にも挙げられていますがここでは一部を抜粋します。
どうでしょうか。やろうと思えば全て誰でも実行できることですよね。
やろうと思えばね・・・
そうなんです。どれも単純だけど、いざ実行に移すとなると話は違う。
もしかしたら他のメンバーに嫌な顔をされたり、批判を受けるかもしれない。
そう、リーダーシップを取るということは勇気がいることなんですよね。
でも逆に言えば、一歩踏み出す勇気さえ持つことができれば、誰でもリーダーシップを取れるということです。
まとめ:「0秒リーダーシップ」を読んでどう行動する?
本は読んだだけじゃだめ。実際に行動に移さないと意味がありません。
本書を読んだサラリーマンはどう行動すべきか。
それは
今自分がリーダーという立場じゃなくても
自分がリーダーだという意識を持つ
これかなと思います。
日本の会社のいわゆるピラミッド型の指示命令系統。
- 1人のリーダーが部下に指示を出す
- 部下は指示に従って動く
- そのリーダーも、おおよそ年功序列で決まっていく
このやり方に疑問を感じませんか?
私もいわゆる日本の会社の指示系統には疑問を感じていました。
年功序列で選ばれたリーダーは、リーダーとして本当に適切なのか?
リーダーの判断が間違っていたらどうするのか?
全員間違った方向に進んでしまいますね。
「自分は平社員だから」とか、「まだ若いから」とかで「指示に従えば良い」、という考えでは上司の間違いに気づけない。
それで上手く行かなかったとしても、責任は上司にあるのかもしれないが、成功体験を積めなかったという点で、自分も時間的損をしてしまう。
自分がリーダーなんだ、という意識が持てれば、見える世界が変わるはず。
- 上司の指示が間違っていることに気づき、軌道修正の提言ができるかもしれない。
- 今までの仕事のやり方に無駄があることに気づき、改善の提案ができるかもしれない。
メンバー全員がこのような動きを取れれば、組織はより早く成長していき、結果的に会社の成功へと繋がるのだと思います。
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