「戦力外通告」を受けたプロ野球選手は何を考え、どう行動したのか。悲しみから立ち上がり、前を向く25人の姿を描く「俺たちの「戦力外通告」」を、ビジネスに当てはめながら書評します。
この記事はこんな人にオススメです
- 仕事が上手くいかなくて悩んでいる
- いつも失敗続き、怒られてばっかで凹んでいる
読めば前を向く勇気を与えてくれます。
「俺たちの「戦力外通告」」とは?
将来を期待されプロ野球界に入るも、最終的に戦力外通告を受けるに至った、25人の元プロ野球選手へのインタビュー記事をまとめた、高森勇旗氏による書籍です。
〜戦力外通告とは〜
主にプロスポーツ競技において、所属選手に対し「戦力構想から外れていることを選手本人に通告」
Wikipediaより引用
すること。選手契約の解除や整理、見直しを示唆する意味を持つ。
つまり、超簡単に言うと、クビを通告されるということです。
ちなみに著者もまた、元プロ野球選手であり、そして戦力外通告を受けた1人です。
戦力外通告を受けた者は何を考え、どう行動したのか
これがリアルに描かれています。
概要だけ聞くと、プロ野球好きの人向けの本に見えますが、侮るなかれ。
なんとこの書籍、東海道・山陽新幹線グリーン車に乗ると無料配布される雑誌「Wedge」で連載されていた記事をまとめたものだとか。
なるほど読めば読むほど、私たちサラリーマンに響く内容が多いこと多いこと。
スーツを着て球場に行くということ
「スーツを着て球場に来てください」
球団からこの連絡があったら、それはすなわち戦力外通告を意味しているそうです。
いつもユニフォームで入るその球場に、スーツで入ることの意味。
本人はもちろん、ユニフォームを来てそれを見届ける選手たちにも、言葉にならない悲壮感が募ることでしょう。
プロ野球は結果あるのみの世界。
結果が出なければあっさりとクビ。
そこには情は存在しない。数字のみの世界。
終身雇用はなくなった、と言っても、明日急にクビを宣告されることはまずない私たち日本のサラリーマンには想像のつかない厳しい世界だと思います。
明日仕事が無くなるかもしれない。そんな状況で、必死に白球を追う日々。そこには、目を輝かせて白球を追っていた野球少年の姿は映らないのかもしれない。
本書で語られる、そんな戦力外通告を受けたある意味の「どん底」を見た者たちの言葉は重く、私たちの心を打ちます。
戦力外となっても、なお前を向いて立ち上がり、発するポジティブな言葉の数々は確実に私たちを勇気付けてくれます。
今やれることを見極める力
突然ですが、みなさんはこんな時にどう対処しますか?
- ミスしてしまったとき
- 思わぬトラブルが起きた時
- 思い通りの結果にならなかったとき
ほとんどの人が、慌てて判断力を鈍らせてしまったり、怒りの感情を持ってしまったりするんじゃないでしょうか。
本書でも語られていますが、こんないわゆるイレギュラーな状況への対処の仕方にその人の本質が現れるのだと思います。
冷静に立ち回れるのか、悲しみにふけってしまうのか、怒りの感情をあらわにしてしまうのか。
いかに今やれることを見極め、そして集中できるか。
本書で紹介された25人は、25通りの「今やれることの見極め」をして、前に進む決断をしています。
仕事でミスをしたと凹んでいる人、失敗続きで自分に自信が持てない人、多いと思います。
そんな人は、是非この本を読んで、戦力外という、プロ野球界である意味のどん底を経験した者たちが、どう気持ちを切り替え、前へ進んだのかを見てみてください。
きっと自分の悩みなんかちっぽけなんだ、と思えるはずです。
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