仕事で文章を書くのが苦手・・・メールは聞き返されるわ、資料は上司からの直し多いわで自己嫌悪。どうしたらわかりやすい文章を書けるようになるんだろう。
こんな悩みに答えます。
普段の仕事で以下のような悩みはありますか?
- いつも上司から文章が分かりづらいと言われる
- 資料の修正が多すぎてウンザリ・・・
- 文章書くのに時間がかかる
この記事では、上記の通り悩む人に向けて、文章の書き方のポイントを15個紹介します。明日から実践できる事ばかりで、実践することですぐに文章力が上達すること間違いなしです。
本記事は、「理科系の作文技術」を一部参考にしています。初版から40年以上経っていますが、現代でも色褪せない普遍的な内容ばかり。「理科系」とありますが、どんな職種でも役立つ良書なので、手に取ってみることをオススメします。
わかりやすい文章 書き方のポイント15選
本記事で紹介するわかりやすい文章書くためのポイントは以下の15個です。
リンクから詳細に飛べます!
わかりやすい文章の書き方
それぞれ詳しく解説していきます。
文書の目的を明確にする
わかりやすい文章を書く上で、「目的の明確化」は基本中の基本で1番大事です!!でもやられていない文章を見ることが結構多い・・・
まずは、文章を書く前に、「なぜその文章を書くのか?」を明確にしましょう。目的が曖昧だと、文章がどれだけ読みやすいものであっても読み手にとっては「で、この文章で何を伝えたいの?」と思われて終わりです。
仕事における文章の目的は大きくは「報・連・相」に集約されるはず。具体的には
- 仕事やプロジェクトの進捗報告
- 仕事における決定事項の周知
- 読み手へのアクションの依頼
上記のいずれかになると思います。その文章を誰が読んでも共通認識を持てるよう、目的を具体的に書くのが大事です。
目的の重要性は、メールや報告資料など、どんな文書であっても同じ。
ポイント
- メールであれば、文書の目的は件名に書こう!
- 報告資料であれば、冒頭に資料を書いた目的を書こう!
メールの書き方については、以下の記事でも解説しているので是非読んでみてください。
概観から細部へ
発表や書籍の冒頭で目次があるように、最初に伝えたいことの概観(全体像)を読み手に示すと、伝わりやすさがグッと向上します。いきなり細かい話をしても読み手は話の現在地が分からなくなってしまうのですね。
現在地からA社への道のりを説明した以下の文を比較してみてください。
ここからA社へは、まずバスで〇〇駅まで行って、電車で△△駅まで行って、新幹線に乗り換えて××駅で降り、そこから徒歩で行きます。
ここからA社へは、バス→電車→新幹線の乗り継ぎで行きます。まずバスで〇〇駅まで行って、・・・
結論ファーストでかく
どんな文書でも、結論は冒頭に書くようにしましょう。
前提として、相手は人の書いた文章を読みたくありません。必要最低限の労力でその文章の内容が知りたいのです。逆の立場で考えてもそうだと思います。
事実と意見を分ける
「事実」と「意見」を混ぜこぜにすると読み手は混乱します。「事実」に主観的な修飾語を入れると、たちまち「意見」になってしまうので注意です。
(事実として)この装置Aは装置Bより優れた性能を持つ。
↑「優れた」は主観的な修飾語なので、事実を書こうとしたのに意見に変わってしまっています。
(事実として)この装置Aは装置Bより10%作業効率が高い。
まぎれのない文を書く
まぎれのない文、つまり誰が見ても理解のズレが生じない、一義的な文を書きましょうということです。
例えば、次の文をみてください。
AさんとBさんは同僚です。
一見何の問題もなさそうですが、実は次の二通りの解釈ができます。
- AさんとBさんの仲は、同僚の関係にある。
- AさんとBさんは、私の同僚である。
自分が書いた文を眺めてみて、読み手によって違う理解ができないか?を疑ってみることが大事です。
一つの文は短く
一つの文は短く。一文が長文になると非常に読みづらくなります。以下2つの文の内容は全く同じですが、一文を短く切った下の文の方が断然読みやすいでしょう。
いくら理想の道路を造ろうと、起終点は人々の居住生活圏の中にある以上は、そして現実に日本の道路は幹線道路といえども居住地域のコミュニティ内を通らざるを得ない以上、自動車の走行速度は、スピードに適応能力のない人々の住む地域なるがゆえに、それが危険感を与えずにはいられない。
理科系の作文技術 119頁より引用
道路の起点・終点は原則として人々の居住・生活圏の中にある。国土の狭い日本では、そういう場所を幹線道路が貫通することは避けがたい。居住・生活圏で車が高速で走れば、それに適応して立ち振るまう能力のない人たちが危険を感じるのは当然である。
理科系の作文技術 120頁より引用
逆茂木型の文を書かない
前置される修飾節が長く、頭でっかちになってしまった文を「理科系の作文技術」では「逆茂木型の文」と呼んで、これを書かないようにと注意しています。
「逆茂木型の文」を書かないためには、長すぎる文を分割する、前置修飾節が装飾している言葉を前に出す、などの方法が役立ちます。
装置Aと比較して30%高い作業効率を持ち不具合発生率の低い装置Bは、国内大手企業や海外企業を含めた100社以上に導入されており、我が社の事業の基盤となっている。
装置Bは100社以上に導入されており、我が社の事業の基盤となっている。装置Bの特徴として、装置Aより30%高い作業効率を持ち不具合発生率が低い。導入企業には国内大手企業や海外企業も含まれる。
主語と述語は近くに置く
主語と述語が遠くなると、文章の理解は難しくなります。
私はラインAの生産数10%向上を目標に、装置Bの改善に取り組みます。
私は装置Bの改善に取り組みます。目的はラインAの生産数10%向上です。
箇条書きを使う
並列する2つ以上の要素は、迷わず箇条書きにします。以下文章を比較すれば、箇条書きでいかに読みやすくなるか明白です。
仕事における文章の目的は、仕事やプロジェクトの進捗報告や、仕事における決定事項の周知、読み手へのアクションの依頼が挙げられます。
仕事における文章の目的は、以下が挙げられます。
- 仕事やプロジェクトの進捗報告
- 仕事における決定事項の周知
- 読み手へのアクションの依頼
表記揺れをなくす
表記揺れとは、文章中に同じ意味の違う言葉が混在してまうこと。
例えば同じ文に「改善」と「改良」という言葉があった場合、書き手は同じ意味合いで書いたとしても、読み手は「何か表記を分けた意図があるのかな?」と勘ぐってしまうかもしれません。
表記揺れ、意識しないと誰しもやりがちなので注意です。
漢字を使いすぎない
文章に必要以上に漢字が含まれていると、堅苦しく感じるのか、人は少し抵抗感を持ってしまうものなんですね。長い文章であればなおさらです。次の文章を比較すれば一目瞭然でしょう。
〇〇出来る事が判り安心致しました。誠に有難う御座いました。
〇〇できることがわかり安心しました。誠にありがとうございました。
上記の良い例のように、適度にひらがなを使うことを「文字をひらく」と言います。
適度に改行
改行のない文はとても読みにくいです。メールでは、段落の区切りで1行空けるととても読みやすくなりますね。
先日作成頂いたA社への提案資料の件、修正頂きたい箇所が一点あります。各案のトレードオフ表に、案dも追加してください。案dは性能は良いものの、コストが予算に合致しないので、結論として案aを推すことに変わりはありません。ただどうしても案dも比較対象に入れないと不自然な印象を持ってしまいます。案a~dの比較結果、案aを推すという結論にして頂くようお願いします。
先日作成頂いたA社への提案資料の件、修正頂きたい箇所が一点あります。
各案のトレードオフ表に、案dも追加してください。
案dは性能は良いものの、コストが予算に合致しないので、結論として案aを推すことに変わりはありません。
ただどうしても案dも比較対象に入れないと不自然な印象を持ってしまいます。
案a~dの比較結果、案aを推すという結論にして頂くようお願いします。
「ですが」を使わない
「ですが」は逆説表現でありながら、その使い勝手の良さから順接表現でも使ってしまう人が多い言葉。
「ですが」を順接表現で使ってしまうと、読み手は確実に混乱します。何も考えずに文章を書くと高確率で使ってしまう「ですが」は、書いた後に本当に適切な表現か見直すようにしましょう。
昨日はトラブル対応しましたが、無事解決しました。
昨日はトラブル対応して、無事解決しました。
曖昧表現を避ける
読み手によって解釈が分かれる表現は使わないこと。定量的に(数字で)示すことが、読み手の理解を統一させるポイントです。
なるはや、だいたい、おおぜいで、駅前で、等々
15時までに、80%の、10人で、駅改札前で、等々
動詞形で終わらせる
体言止めは文章を短くするのには効果を発揮します。一方で、特に業務報告書において、体言止めは曖昧言葉になることがあるので注意です。
今週は〇〇との会議を実施。
上記の文だと、以下の解釈ができてしまいます。
- 会議を実施する予定なのか
- 会議は既に実施したのか
- 会議を実施する予定だったけどしていないのか
上記のように解釈が分かれないように、はっきりと動詞形で終わらせましょう。
- 今週は〇〇会議を実施予定である。
- 今週は〇〇会議を実施した。
- 今週は〇〇会議を実施予定であったものの、先方の都合が合わず次週に延期した。
まとめ
今回はわかりやすい文章の書き方をテーマに、テクニック的要素を15個紹介しました。
全ては難しいと思います。どれか一つでも、明日から書く文章に取り入れて見てください。それだけであなたの書く文章は一段階レベルアップです。
もっと文章の書き方を詳しく学びたい!という人は「理科系の作文技術」を手に取ってみてくださいね。